今回は雇用保険について勉強します。
雇用保険も公的保険の一部で、労災保険と同様に働く人には関係する内容になりますのでしっかり知識を入れましょう。
雇用保険とは
雇用保険は、労働者が失業したときに必要な給付がされたり、再就職を援助する保険です。
雇用保険の対象者
雇用保険の対象者は、企業の労働者です。
しかし、経営者である社長や役員、個人事業主とその家族は加入することができません。
雇用保険の保険料
保険料は、事業主と労働者で負担します。
ただし折半ではなく、負担割合は業種によって異なります。
雇用保険の給付
雇用保険の給付内容はこちらの4つです。
- 基本手当(求職者給付)
- 雇用継続給付
- 就職促進給付
- 教育訓練給付
給付の内容は次で詳しく見ていきましょう。
雇用保険の給付内容
ここからは、雇用保険の詳しい給付内容に触れていきます。
雇用保険 基本手当
基本手当とは、働く意思と能力はあるが失業している人(労働者)に対する給付で失業保険と呼ばれます。
労働者が失業したときに、離職前6か月間の賃金の45~80%が支給されます。
給付日数は、失業した理由や年齢、加入期間によって変わります。
❁解雇や倒産の場合
1年未満 | 1~5年 | 5~10年 | 10~20年 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | _ |
30~35歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
35~45歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
45~60歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
60~65歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
❁自己都合、定年退職の場合
10年未満 | 10~20年 | 20年以上 | |
全年齢 | 90日 | 120日 | 150日 |
最高と最低を覚えておこう!
基本手当の受給要件
基本手当を受給するには、離職前の2年間に被保険者期間が通算12か月以上あることが必要。
倒産や解雇が離職の原因の場合は、離職前の1年間に被保険者期間が通算で6か月で受給が可能です。
基本手当の給付
基本手当を受けるには、ハローワークに出向く必要があります。
住んでいる地域のハローワークで職場でもらう離職票を提出して、求職の申し込みを行います。
求職の申し込みを行った日から7日間は基本手当が支給されません。(待期期間)
また、自己都合での退職のときには待期期間に加えて、原則3か月間は支給されないことになっています。(給付制限)
雇用保険 就職促進給付
就職促進給付は、再就職の促進と支援を目的とした給付です。
要件を満たした基本手当の受給者が再就職やアルバイトなどに就業したときに支給されます。
再就職したときは再就職手当、アルバイトに就業した場合は就業手当と呼びます。
雇用保険 教育訓練給付
教育訓練給付は、労働者が自分で費用を負担し、厚生労働大臣が指定する講座を受講して修了したときにその費用の一部が支給される制度です。
一般教育給付金と専門実践教育訓練給付金があります。
一般教育訓練給付金
対象:
雇用保険の被保険者期間が3年以上
(初めての受給は1年以上で可)
厚生労働大臣指定の教育訓練が修了
給付額:
受講料などの20%相当(上限10万円)
専門実践教育訓練給付金
対象:
雇用保険の被保険者期間が3年以上
(初めての受給は2年以上で可)
厚生労働大臣指定の専門教育を修了
給付額:
受講料の50%相当(上限は年間40万円)
期間は上限3年
資格取得で、就職につながれば+20%
45歳未満であれば、受講期間中に基本手当相当額の80%が支給されます。
専門実践教育の方がたくさん給付してもらえるね
雇用保険 雇用継続給付
雇用継続給付は、介護や育児をしている人や高齢者に対して必要な給付を行って雇用の継続を促す制度です。
介護休業給付、育児休業給付、高年齢雇用継続給付に分けられます。
介護休業給付
家族を介護するために休業したとき支給される給付。
育児休業給付
満1歳未満の子を養育するために育児休業を取得したとき、賃金の67%相当額(6か月経過後は50%)が支給される給付。
パパママ育休プラス制度を利用すれば、満1歳2か月まで利用できます。
子どもの父と母が同時か交代で育休を取得すればプラス制度を利用できる♪
高年齢雇用継続給付
被保険者期間が5年以上の60歳以上65歳未満の被保険者が対象。
60歳到達時の月収に対して、75%未満の月収で働く人に月収の最大15%相当額が支給されます。
雇用保険 練習問題
〇か×で答えよ。
(1)経営者は原則として、雇用保険に加入することができない。
(2)雇用保険の基本給付の待期期間は2週間である。
(3雇用保険の基本給付の給付日数はすべての人に同じである。
(4)雇用保険の保険料は事業主と労働者の折半である。
(1)〇
(2)×
雇用保険の基本給付の待期期間は7日間です。
(3)×
給付日数は年齢や働いた期間、退職理由によって異なります。
(4)×
保険料は事業主と労働者での負担ですが、折半ではありません。
雇用保険 まとめ
いかがでしたでしょうか。
雇用保険に加入さえしていれば、退職後も何日かは食いっぱぐれなく過ごせそうですね。
そのためには、制度を知っておく必要があります。
そんなときのためにも、しっかり復習をしておきましょう。
- 雇用保険とは失業したときの保険
⇒対象者:企業の労働者
(経営者や社長✕)
保険料は事業主と労働者で負担
(折半✕) - 基本手当は失業時に支給
給付日数は理由や年齢によって異なる
離職前2年間に12か月以上加入
待期期間が7日間必要 - 再就職すれば就職促進給付がされる
- 指定講座を受講すれば教育訓練給付がされる
- 雇用継続給付
⇒介護・育児・高年齢
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