今回は課税所得金額を計算した後にすることについて勉強します。
簡単に言えば、税率を用いて所得税額を計算をし、税額控除を引き申告税額を計算するところです。
\前回の内容/
税率の計算
課税所得金額を計算した後、まず最初に税率をかけて所得税額を計算します。
総合課税の税額
総合課税される所得から所得控除額を引いた金額(課税総所得金額)に、超過累進税率を適用します。
超過累進税率とは、課税所得金額が多くなるほどに、高い税率が適用される課税方法です。
速算表を用いて計算します。☞所得税の税率 国税庁
❁総合課税とは 所得税の基本
分離課税の税額
課税退職所得金額
退職所得は、他の所得とは別に所得税の速算表(上記)を使って税額を計算します。
課税長期短期譲渡所得金額
土地や建物などの譲渡によって生じた譲渡所得は、次の税率を用いて計算します。
- 課税長期譲渡所得
39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%) - 課税短期譲渡所得
20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)
株式等に係る課税譲渡所得
株式の譲渡によって生じた譲渡所得の税率は20.315%です。
(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)
税額控除
上記で計算した所得税額から税額控除額を引いて、申告税額を計算します。
税額控除には、以下のものがあります。
- 配当控除
- 住宅借入等特別控除
(住宅ローン控除) - 住宅の三世代同居改修工事にかかる特例
詳しく見ていきましょう。
配当控除
配当所得について総合課税を選択した場合には、確定申告を行うと控除を受けることができます。
❁詳しく 金融商品と税金
なお、次のものは、配当控除の対象外になります。
- 申告分離課税を選択したもの
- 申告不要制度を選択したもの
- 外国法人の配当
- 上場不動産投資信託の分配金
- NISA口座から受け取る配当金
配当控除の配当額は、配当所得の金額の10%です。
しかし課税相総所得金額が1,000万円超えの場合は、その超過分の金額の5%となります。
住宅借入金等特別控除
別名、住宅ローン控除。
住宅ローンを利用して住宅を取得したり、増築した場合に住宅ローンを年末残高に一定の率をかけた金額が税額控除されます。
控除率はこちらです。
居住年 | 住宅ローンの年末残高限度額 | 控除率 | 控除期間 |
H26~H33年 | 一般住宅:4,000万円 認定受託:5,000万円 | 1% | 10年間 |
また、住宅借入等特別控除には適応要件があります。主なものを上げておきます。
- 返済期間が10年以上の住宅ローン
- 住宅を取得した日から6か月以内に居住
適用を受ける核燃の年末まで居住 - 控除の年の合計所得が3,000万円以下
- 住宅の床面積が50㎡以上
- 床面積の半分以上が自分で居住するもの
住宅ローン控除額について、所得税から控除しきれなかったときは住民税から控除することもできます。
また住宅ローン控除の適応を受けるときには、確定申告が必要となります。
住宅の三世代同居の改修工事にかかる特例
個人が所有する居住用家屋について、一定の三世代同居改修工事等をしたときは下記のいずれかの特例を適応することができます。
住宅借入金等特別控除の特例
個人が所有する居住住宅家屋を借入金(住宅ローン)を利用して、一定の三世代同居住宅拐取工事を含む増改築等をしたときに住宅ローンの年末残高(1,000万円が限度)にいっていりつを掛けた金額が所得税から控除されます。
控除額は、改修工事にかかる費用(250万円まで)に相当する住宅ローンの年末残高×2%と前述以外の住宅ローンの年末残高×1%の合計です。
控除期間は5年間で、償還期間が5年以上の住宅ローンである必要があります。
❁一定の三世代同居改修工事とは
調理室・浴室・トイレ・玄関の増築であり、工事費用の合計が50万円を超えるもの
税額控除の特例
個人が所有する居住用家屋を、一定の三世代同居改修工事をしたときに改修工事の標準的な工事費用予想東学(250万円が限度)の10%を所得税額から控除することができる。
控除額は一定の三世代同居改修工事の標準的な工事費用相当額(250万円まで)×10%。
控除期間は居住の用に供した年で、控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。
また、控除を受ける年の前3年以内にこの特例を受けていない必要があります。
復興特別所得税
東日本大震災の復興財源を確保するために作られたのが、復興特別所得税です。
平成25年から令和18年までの各年分の所得税にプラスされます。
計算式は以下の通りです。
復興特別所得税額 = 基準所得税額 × 2.1%
源泉徴収の場合は、合計税率を用いて源泉所得税額と源泉復興特別所得税を計算します。
試験問題では、復興特別所得税は考慮するかは必ず問題文に書かれているよ!
税額の計算と税額控除 練習問題
〇か×かで答えよ。
(1)総合課税される所得税は、超過累進税率を使って税額を計算する。
(2)分離長期譲渡所得税の税率は、所得税15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税5%。
(3)平成30年に住宅を取得して居住をし、各年に住宅借入金など特別控除の要件を満たすとき、適応が受けられるのは最長15年である。
(4)合計所得金額が3,000万円以上の人は、住宅借入金等とくべつこうじょの適応が受けられない。
(1)〇
(2)〇
(3)×
最長10年。
(4)〇
税率の計算と税額控除 まとめ
言葉が難しく、数字もたくさんでてくるので今回はすこしややこしかったですよね。
振り返りをするためにも、今回の内容をまとめます。
- 総合課税
課税総所得金額に超過累進税率を利用し計算 - 分離課税
退職課税:速算表使用
(土地)譲渡所得:上記表参照
(株式等)譲渡所得:20.315% - 税額控除
配当控除
住宅借入等特別控除
住宅の三世代同居改修工事特例 - 復興特別所得税
H25~R49年に適応
基準所得税額×2.1%
\次回の内容はこちら/
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